あんなイチジクこんなイチジク(4)
[2007年02月13日]
助教授 後藤 隆子
イチジク果実で一番甘い部分はどこかご存じですか。黒柳(静岡柑試研報、28:63-68.1999)らによると、果頂部、中央部、果梗部の順で、また、小果よりその周りにある花托とよばれる部分の方が糖度は高いそうです。また、陽光が当たっている面より裏側、つまり日陰面側の甘味が強いらしいので、最も甘い部分は、日陰面側の果頂部の花托ということになります。
【ブルジャソット・グリーズ】果実の形はイチジクらしいのですが、写真のように果皮の色が黒紫の縦縞になっています。中の小果は濃紅色、果肉も軟らかいうえ、甘味、酸味ともに強いため食味がよい品種です。ブルジャソットという名前はスペインにある村から由来しており、もとはスペインで栽培されていました。
【ブルンスウィック】果皮の色は黄褐色から橙黄褐色で、果重は60gぐらいの長卵形をしています。小果はホワイト・イスキアのように淡い桃色しています。甘味が強くておいしいのですが、果頂部と基部で熟す時期がずれやすく、適期の判断が難しい品種です。ホワイト・ゼノアと間違って表示されている場合があるので注意が必要です。

ブルジャソット・グリーズ ブルンスウィック
【ブラウン・ターキー】名前の通り果皮は褐色で、小果は橙紅色とやや地味な色をしていますが、食味は割とよく、イギリスやアメリカでは、庭によく植えられているポピュラーな品種です。ただ、皮が薄くて弱いため痛みやすいため取り扱いには注意が必要です。
ブラウン・ターキー
【ネグローネ】果実は小さく、20から30gしかありませんが、着果数が多いため、収量は高い品種です。果皮は紫黒色、小果も紫紅色と色素がたくさん含まれています。ネグローネはフランスの地名です。
ネグローネ
【カリフォルニア・ブラック】紫黒色で、小果も紅色とアントシアニンがたくさん含まれている品種といえます。果重は40から60gと中程度ですが、肉質が密で、甘味が強いことから欧米では多くが乾果に加工されています。
【ヌアール・ド・カロン】果皮は紫黒色で、小果も紅色です。この品種はとにかく糖度が高く上品な香りが特徴なのですが、残念なことに収量はあまり多くないそうです。
カリフォルニア・ブラック ヌアール・ド・カロン
駆け足でいろいろな品種を紹介していきましたが、少しはイチジクに興味を持っていただけたでしょうか。これから本格的な調査を行っていきますが、イチジクはほとんどが海外の品種なので資料集めが大変です。できれば、本学の専門である食品加工技術につながる研究に発展させたいと思っています。





