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「郷土の保存食 へしこ」

[2006年11月27日]

講師 江見達夫

「へしこ」とは、鯖に塩を振って糠漬けにしたものである。
我が故郷若狭小浜の伝統食材で、越冬の保存食として重宝されている。
名前の由来は様々であるが、漁師が樽に漬け込むことを「へし込む」と言ったことから、「へし込まれた物」が略され「へしこ」となったと言う説と、又は魚を塩漬けにすると滲み出てくる水分のことを「干潮(ひしお)」と呼んだことから、これが訛ったものであると言われる人がある。現在では若狭地方の特産品、土産物として、漬け込む魚の種類も「鰯へしこ」「河豚へしこ」等が商品として京都を中心とする関西圏で親しまれている。
ぬかを軽く落とし焼いたものは少々塩辛いが、お茶漬けや酒の肴に良い。

ある雑誌によると、この言葉の語源としては、常識と異なる意見もある。
「へしこ」は縄文・弥生時代の言葉かもしれない、という考え方である。
そしてそのような大昔の言葉を解読する方法もあり、縄文・弥生の語源はアイヌ語の中に多く保存されている可能性がある。アイヌ語にあてはめると「へしこ」=pe-si-kor,pe とは何かから「にじみ出てくる液」si はこの場合「それを」kor は「護持する」「生成する」を意味する。
「にじみ出る液がそれを護持する」ならば、「へしこ」は魚の腐敗を防ぎ長期保存する古代人の知恵であり、「にじみ出る液がそれを生成する」の意味ならば、独特のうまみを生み出す技法ととることもできる。


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