あんなイチジクこんなイチジク(2)
[2006年11月13日]
助教授 後藤 隆子
ところで、イチジクといえば、どのようなものが頭に浮かびますか?日本人が思い浮かぶイチジクはおそらく写真のイチジクでしょう。このイチジクは桝井(ますい)ドーフィンという品種で、全国的に最も多く栽培されている品種です。その他に、蓬莱柿(ほうらいし)という色の薄い品種がつくられています。実は、イチジクは品種により、色、形、硬さなどが大きく異なっています。果実を割ってみると無花果(むかか)の由来となる小果があるのですぐにイチジクとわかるのですが、色や大きさなど非常にバラエティーに富んでいます。では、農場でみられる「あんなイチジクこんなイチジク」を順に紹介していきましょう。
【桝井ドーフィン】1909年に桝井光次郎がアメリカのカリフォルニア州から導入しました。約100年前の話ですが、今でもこの品種は国内におけるイチジク栽培面積の80%近くを占める主要品種になっています。果樹はもともと品種の変遷期間が長い傾向がありますが、桝井ドーフィンのようにこんなに長く広く栽培されているものは他にありません。その理由としては、果実が大きく(70から120g)、外観がよい、比較的果皮が強いため、輸送性に富んでいる、収穫期間が長く、収量が多いことなどがあげられます。
桝井ドーフィン
【蓬莱柿】日本で最も古い品種であり、在来種、日本種、唐柿や南蛮柿とも呼ばれています。耐寒性が強いため、東北地方でも栽培され、桝井ドーフィンに次いで栽培面積が多い品種です。樹性が強く、まっすぐに伸びるので畑でもすぐにわかるぐらい大きくなります。果実は60から70gと桝井ドーフィンよりやや小さめで、果皮は赤紫色をしています。果肉はやや軟らかく、甘味があり、完熟果になると独特の風味があるので桝井ドーフィンより蓬莱柿を好む人が多いようです。しかし、果頂部が裂開しやすいという欠点があります。
蓬莱柿




