化学小話
[2006年11月02日]
講師 末兼 幸子
(その1)化学というと、どういうイメージが思い浮かぶでしょう?難しいとかわけがわからないというものが多いように感じます。しかし、化学は人間の生活に密接に関係しているものであり、気がつかないうちに私たちの近くで大きな役割を果たしてきたものなのです。ここでは、少しでも化学を身近に感じてほしいと思い、知っているようで知らない話を少々紹介してみたいと思います。
化学の歴史を振り返ると、功罪両面で大きな役割を果たしたのはやはり錬金術でしょう。
錬金術というと、現在はそれほど悪いイメージはないようですが、中世ヨーロッパでは神に背くものとして迫害されたこともあったようです。
現在では化学の基礎を発展させたものとして評価されています。
化学を学ぶ上で必須な周期表を発表したのはロシアのメンデレーエフです。
彼は1906年ノーベル化学賞にノミネートされましたが、たった1票差でアンリ・モアッサンに敗れました。
しかし彼の名は周期表の元素(メンデレビウム)や、モスクワの地下鉄の駅名(メンデレーエフスカヤ(Менделеевская)駅)として残されています。
その地下鉄の装飾は分子模型をかたどったユニークなものだそうです。
一方ノーベル賞を受賞したモアッサンはフランスの化学者です。
フッ素の初単離に成功し、またモアッサン炉を開発し、ダイヤモンドを合成する実験を行いました。
成功したと発表したものの、彼の死後、実は助手がねつ造を行ったと告白したということです。
真偽はわかりません。化学の発見にはその当時は華々しいものでも、後から見ると真偽が疑わしいようなものも多くあるようです。
錬金術の昔から人間の行うことはそう変わらないのかもしれません。
科学の世界でのなかなかおもしろい話がW・ブロード・N・ウェード著の「背信の科学者たち」(化学同人)に載っていますので、興味のある方は読んでみてください。

錬金術時代の物質の記号例




