あんなイチジクこんなイチジク(1)
[2006年09月01日]
助教授 後藤 隆子
イチジクの原産地はアラビア半島南部から小アジアと言われており、現在でもトルコのイチジク生産量は世界最大です。大きく分けて4つの系統に分けられ、トルコではスルミナ系が栽培されていますが、日本で栽培されているのは受粉しなくても果実が肥大する普通系です。イチジクは食物繊維、特に水溶性食物繊維が多いため、古くから便秘に効果がある果物として利用されてきました。また、水溶性食物繊維には血糖値の急激な上昇を抑制する作用があることから高脂血症を予防する効果もあります。その他、ガン細胞の増殖抑制効果があるプソラレンやポリフェノールも含まれています。とはいうものの、イチジクは薬ではありませんので、適度な量をおいしく召し上がってください。
東洋食品工業短期大学のある兵庫県川西市は古くからイチジクの産地として知られています。平成16年度の統計によると収穫量が最も多いのは愛知県(4,441t)で次が和歌山県(1,662t)となっています。兵庫県(1,586t)は第3位でその中でも川西市は神戸市と並んで主要産地にあげられています(農林水産省「特産果樹生産動態等調査」)。8月になるとよく熟れた朝取りイチジクが店頭に並んで季節を感じさせてくれます。川西周辺のお店では生鮮だけでなくイチジクのジャムやお菓子、珍しいものではイチジクの葉でつくったお茶まで販売しています。
地域の特産であるイチジクの理解を深め、新たな有効活用を模索するために、本学に隣接する財団法人東洋食品研究所の農場では数年前からイチジクの品種収集を始め、現在約40品種のイチジクを栽培しています。昨年から少しずつ果実が収穫できるようになってきました。ほとんどが国内の市場ではみられない珍しい果実ばかりです。
次回から、その中のいくつかを紹介していきましょう。
[イチジク畑の風景]
その(2)につづく




