包みの文化と美意識(その3)
[2006年08月07日]
学長 今津 勝宏
さて日本には日本特有の「包みの文化」があります。よくパッケージと称されますが、その意味は「集めてひとまとめにする」とあり、一般的に使用されている「包装」とは、少しニュアンスが異なるようです。日本の「包装」とは、単に保護や貯蔵等の機能的側面ばかりではなく、日本人特有のきめ細やかな心遣いによって育まれた文化的側面を含んでおります。先人達はおそらく「包む」という日常性の行為のなかに“心遣い”と“美意識”を託してきたと思われます。実用本位に包むだけではなく、包み方ひとつにも何らかの意味を込めて技巧と洗練を重ねて、日本特有の「包みの文化」を育んできたのではないでしょうか?
例えば、日本特有の独特な「包み」のひとつの例を取り上げてみましょう。ご年配の方はご存じかも知れませんが、日本の伝統的な包みの形に「つと:苞」と呼ばれるものがあります。特に「卵のつと」は独特な形をなし、有名な包みとして挙げられ、日本の「包みの文化」を象徴するものといえます。
*「つと:苞」とはわらなどを束ねて物を包んだものの意(広辞苑より)





