包みの文化と美意識(その2)
[2006年08月04日]
学長 今津 勝宏
19世紀に現在の缶詰の原理が発明されましたが、当時のヨーロッパは戦争用需給物資の貯蔵や輸送のための役割が圧倒的に大きくびん詰めを中心としたものが主流でした。
20世紀に入りますと、従来の物の輸送包装中心の形態から、消費者包装が起こり、情報伝達の媒体として包装が意識的に利用されるようになりました。また、科学技術の進歩とともに数多くの優れた機能を持つ包装材料が生み出され、戦後のスーパーマーケットの登場を契機に始まった流通革命や家電製品の普及などによるライフスタイルの変化は、それまではない新たな包装形態を生み出し、一気に包装の多様化が進みました。包装の機能も技術の進歩やライフスタイルの変化により、従来の保護・貯蔵の機能に加えて、取扱いの便利さとしての機能、販売促進の機能、中身の製品についての情報を伝える機能などが重要な要素となりました。このような包装の変遷は、容器の変遷と言っても過言ではないかもしれません。今日生産されている容器は多くの先人達によって長い年月にわたり、受け継ぎ、洗練されてきた「包みの文化」の延長線上にあるといえるのではないでしょうか。

びん詰を復刻





