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ニンジン缶詰の軟化防止

容器詰果実・野菜類の軟化防止―I
ニンジン缶詰の軟化防止

(著者:森 大蔵,稲田 有美子,高橋 英史)

レトルト殺菌後も過度に軟らかくならず歯ごたえのあるニンジン缶詰を造る方法について検討した.

予備加熱処理したニンジンを缶に詰め,レトルトで殺菌しても硬さを保っていた.処理温度は60~65℃が最も適していた.温度が50℃以下及び70℃以上では効果はなかった.処理をカルシウム溶液中で行うことにより短時間でニンジンの硬度が増加し,硬くなった.その硬さはカルシウム濃度が高くなるのに従って増加した.また,ニンジンの表面の方が内部より硬くなったが,食べたときのテクスチヤーに影響はなかった.処理液のpHは3.5~6.5でニンジンの硬さに影響しなかった.

予備加熱処理中に好熱性細菌であるB. stearothermophilusはpH5.5以下で増殖しないが,6.0以上では増殖し,菌数が多いと16時間後にピークになった.そのため,処理中のこれら細菌による汚染を考えると,予備加熱処理液のpHを5.5以下にする必要があった.また,60℃で30分の処理によりニンジンのβ-カロチン量が減少し,色調が薄くなった.

キーワード:ニンジン,缶詰,軟化,防止,ペクチンメチルエステラーゼ,予備加熱処理,好熱性細菌.

東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,23,47-56,(2000)

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