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トップ > 研究報告書 > 第21号(1994-1995) > 果実飲料から分離された好酸性菌の諸性状について

果実飲料から分離された好酸性菌の諸性状について

(著者:池上義昭,遠田昌人,松井智江,中川薫)

容器詰果実飲料から分離した細菌は,至適pHを4付近にもつ好酸性菌で,しかも至適温度が45℃から50℃の好熱性菌であった.この細菌の生物学的諸性状を調べ,同定した結果,Bacillus acidocaldarius 類似菌であった.

この細菌によって変敗した果実飲料は異臭を呈し,特にバニリンを分解してグアヤコールを産生するので薬品臭を呈した.

芽胞に対するpHと有機酸の影響は,酢酸,アジピン酸,乳酸,フマル酸などがpH5.5以下で増殖を抑制した.特に酢酸は増殖に対して非常に抑制効果があった.

pH3.5から4.0のTYG培地中における耐熱性は90℃で10分から20分程度であるので,果実飲料の通常の殺菌条件では死滅しない可能性がある.耐UV性については,D値が150μW・min/cm2であり,他の細菌と比較して同等程度であった.ショ糖脂肪酸エステルの影響は,pHによりその効果は異なり,pHが低いほど抗菌作用を弱める傾向があり,pH3.5では8ppm以上,pH5.0では4ppm以上で発芽,増殖を阻止した.

キーワード:好酸性菌,Bacillus acidocaldarius,果実飲料,同定,有機酸,pH,ショ糖脂肪酸エステル,耐熱性,耐UV性,D値

東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,21,105-115,(1996)

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